こんにちは院長の磯目です。前回までは主にコンタクトをはじめて使用する方々に向けたお話をしてきました。
今回からは「よくある目の病気」と題しまして普段の診療にて診察させていただくことが多い目の病気についてお話させていただければと思います。
「診察させていただくことが多い」ということは「皆さんがよくかかる病気」といえるかも知れません。
さてトップバッターは子供から大人まで誰しもかかるであろう「あの病気」です。
●「結膜炎」は最もよくある目の病気かと思います。
「充血した」、「目やにが出る」、「痒い」、「痛い」…目を真っ赤にして来院される方は非常に多いです。
患者さん自ら「結膜炎になった…」と申告される例も多く、それ程までに結膜炎という病気はよく知られた目の病気と言えます。
●とはいえ「結膜炎」とはなんでしょう?
結膜炎とは文字通り「結膜」が「炎症を起こした病態」と言えます。では「結膜」とはなんでしょうか?
多くの人が「白目」と答えます。しかしながら結膜の色は白ではないです。
結膜とは「半透明の薄い膜」です。では白く見えているのは何か?結膜の下にある眼球の壁、「強膜」です。
なので結膜炎は白目(強膜)を覆う半透明の結膜が炎症を起こした状態と言えます。
結膜は「非常に血管が豊富」な組織ですから炎症がおこれば「充血」してしまうわけですね。
●結膜炎といっても原因は様々です。
ばい菌の感染が原因で起こる結膜炎を「細菌性結膜炎」といいます。
花粉やハウスダストが原因で起こる結膜炎は「アレルギー性結膜炎」と診断されます。
「はやり目」などと言われる「流行性結膜炎」はアデノウイルスというウイルスが原因の「ウイルス性結膜炎」です。他にも様々な原因で結膜炎は起こります。
このように結膜炎の原因は様々であるため薬局で目薬を買ってきても一向に治らないということもあります。
原因に合わせた治療を行いますので眼科受診を御検討ください。
●コンタクトを使用している人はコンタクト使用を中止してください。
とても大事なことですが「コンタクトをしている方はコンタクトを中止してください」。
以前のコラムで申し上げた通りコンタクトは目に対する異物。症状は確実に悪くなります。
「目薬をしていればいい」というものではありません。コンタクト装用が結膜炎の原因になってしまっている事も非常に多いです。原因を排除せず治療を続けても改善は難しいと言えます。
●「充血」というより…「出血」?
「目が赤くなった!でも結膜炎…じゃない?」
ある日突然、こんな症状に悩まされる方もいます。
「充血」というよりも…「出血」…?でも痛くも痒くもないし…。目やにも出ていない…。
この病態は一体なんでしょうか…?それは次回のコラムで説明させていただくとします。