こんにちは院長の磯目です。すっかり秋めいてまいりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?
当院は土日・祝日も診察を行っている関係上、休日に急な目の不調を訴え来院される患者さんも多いです。
「目にゴミが入った…」というのもよくある急な目の不調です。
●診察する機会が意外に多い…「ある異物」
私たち眼科医は目に入ったゴミを「異物」と表現しますが診察する機会が意外と多い「ある異物」があります。先日いらした患者さんの御了承を得て撮影したものがあるので掲載させていただきます。
これは「鉄片異物」というものです。黒目に鉄の粉が刺さっているわけです。
意外に思われるかもですがこの鉄片異物で来院される方が1年を通じてかなりの数いらっしゃいます。
グラインダーという電動工具を使った作業中に受傷される方が多く大工さんをはじめ建設関係の仕事の方がよく来院されます。
●自然に排出される異物も多いのですが…
目に入った異物は基本として目の外に排出される方向へ向かいます。目にゴミが入ると痛くてたくさん涙が出るのも、大量の涙で異物を洗い流そうという仕組みの一つと言えます。
しかし写真のように黒目に鉄の粉が刺さっていたら…自然には排出されにくいことでしょう。
事実、「数日経っても痛みがひかない…」と来院される鉄片異物の患者さんが多いです。
●鉄粉が入ったと予想される場合は速やかに受診してください。
黒目に刺さって数日たった鉄粉の周囲には「サビ」が発生します。
異物針という針のような器具で異物を除去しますが、異物本体はとれても周囲に発生したサビがとれないことが多いです。
サビが黒目に残存してしまうとサビから遊離した鉄イオンにより「眼球鉄錆症」という病気を発症する可能性があると言われ除去することが望ましいと言われます。応急的に異物本体を除去したものの、サビの残存が著しく後日手術設備のある病院に御紹介しなければならなかった前例もあります。
●一番大事なのは「保護メガネをすること」です。
鉄片異物で来院された方に対しては、今後作業中には保護メガネの着用していただくようお話しています。
趣味でDIYなどを楽しむ方も、電動工具等を扱う際は保護メガネの着用をお勧めいたします。