よくある目の病気、今回は「ものもらい」についてお話できればと思います。
まず「ものもらい」というのは正式な病名ではありません。医学用語で「麦粒腫」と呼ばれるものを指すことが多いです。
●「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」とは?
まつげの周りには汗や脂を出す場所(汗腺、脂腺)がたくさんあり、これらにばい菌が感染し炎症を起こすことがあります。
瞼が局所的に腫れ、痛みを伴うことが多いです。写真のように内部に「膿」が溜まる場合もあります。
●治療は?
まずは抗菌薬の点眼・軟膏等を処方し、様子を見ます。
なかなか膿が出ず炎症が強い場合は手術で膿を出すこともありますが、自然に膿が出て治ることも多いです。
●「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」というものもあります
同じく「ものもらい」と言われるものに「霰粒腫」というものがあります。瞼の中に出来る脂の塊のようなものと考えてよいかと思います。
麦粒腫との違いとして「痛みがないこと」、「触るとコリコリとした塊のようなものを触れること」などの特徴がありますが、痛みを伴う急性の炎症を起こすこともあります。
●霰粒腫の治療について
炎症を起こしている霰粒腫は、麦粒腫の治療に準じ点眼・軟膏等で様子を見ます。
炎症の治まった痛みのない霰粒腫に対し「シコリが気になる」と手術を希望される方もいますが…
リスクのない手術はありません。特にお子さんの場合は「全身麻酔をしてまでとる必要があるものなのか?」…
手術を希望される方は担当の先生とよく話をされるべきかと思います。
●「ものもらいは他人にうつる」…?
この説もそうですが出処や根拠が不明な噂が眼科領域にはたくさんあります…
【ものもらいは他人にうつらない】
そう考えてくださって結構です。他人にうつさないように…と眼帯を希望される方もいますが…
「基本として眼帯は不要」と考えてください。
※【特に小児の眼帯着用は避けてください。(眼帯着用により視力の発達が障害される恐れがあります。)】※
大人の方で見た目を気にされる場合等は着用も可能ですが…眼帯で回復が促進される効果は期待しない方がよいと思います。(むしろ眼帯が回復を妨げるという報告もあります)。
「コンタクト装用はいいですか?」「プールに入っていいですか?」もよくある質問です。
絶対禁止ではありませんが控えた方がいいと私は回答しています。
その他、ものもらいでお困りのことがありましたら当院までお問合せください。それでは次回コラムにて。